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タイム・ダイレイション-死のベッド-のkuuのレビュー・感想・評価

3.0
『タイム・ダイレイション-死のベッド-』
原題 The Dwelling
製作年 2016年上映時間 84分
2時間前の焼死者から助けを求める謎の電話。
彼女を救うことはできるのか。
この事件現場は時間をも凌駕するが、『バタフライ・エフェクト』『ミッション:8ミニッツ』を凌ぐこともないなぁタイムショックSFホラー!!

風俗店に泊まりに来た男女4人。
だが、彼らがとった部屋のベッドは怨念のこもった呪いのベッドだった。
ベッドから降りると殺されることを知った彼らが助かりたい一心で電話で助けを求めると、なぜか2時間後の未来にその事件を捜査していた刑事に繋がるが。。。

20代の4人の若者が、呪われたアンティークのベッドに閉じ込められ、その場を離れると悲惨な死を迎えることになる。
恐ろしい幻覚に悩まされながら、一人ずつ犠牲者が出る前に、ベッドの秘密を解明しなければならない。。。

最初にタイトルを聞いてプロットをざっと読んだ時、これはっ!!『Death Bed: The Bed That Eats』のユルユルのリメイク版なんちゃうんかっ思った。
考えてみれば、殺人ベッドに便座にと題材にした映画なんていくつもあるはず。
しかし、その類似性はおそらく偶然のものであることは視聴して程なくわかりました。
最近やと、ピエロの映画がすべて『It』ではなく、サメの映画がすべて『Jaws』でもないし。もしかしたら、殺人ベッドのサブジャンルの始まりを見ているのだろうか?なんて期待したが。。。
今作品の印象的な点は、物語が真顔で語られいること。 
奇抜な設定にもかかわらず、終始シリアスな恐怖感を作ろうと真面目に取り組んでる。
『呪われたベッドなの?』と云うキャラもなし。
ベッドの影にどんな超自然的な生物が潜んでいようと、彼らはただアホな行動を繰り出すだけ。
残念ながら、ベッドに閉じ込められた4人の若者は、多かれ少なかれ使い捨ての一面的なキャラやし、彼らについて語るべきことはありません。
サンディ(アリッサ・キング、テレビシリーズ『SLASHER』)は最も多くのスクリーンタイムを得ているけど、個人的には決して魅力的なキャラにうつらなかった。
スラッシャーホラー映画は何十年もの間、使い捨てのティーンエイジャーで成功してきたのやし、今作品のご出演は必ずしも悪いことではないとは思うが。
主人公の刑事には多少の深みがあったかな。
また、クラブのオーナーも結構エエ味だしてたけ、これは彼が少量スパイスちょい役で効果を発揮する一人だからやとは思います。
今作品で特筆すべきは、効果係かな。
『エルム街の悪夢』を彷彿とさせるシャワーシーンなど、血と血糊の演出はまぁ悪くなかったです(上から目線でなに書いてんだか🙇)
『エクソシスト』と『リング』を合体させたようなヘンテコな蜘蛛のクリーチャーが登場し、『シャイニング』を連想させるセリフもあった。これらの言及はどれもパクリではなく、巧妙な皮肉に満ちたオマージュであると信じたいが。
中盤になると、カウントダウンを使ったひねりが加わってくるが、これは非常に巧妙である反面、意味を成さないという点で今作品の欠点にもなっている。 
説明のヒントすら与えられず、それを理解しようとしても頭が痛くなるだけでした。
今作品が深みのある知的なスリラーであることを意図していたとは思えないし、意図していないことで製作陣を批判するのはフェアじゃない。
もし意図していたのが、楽しくてペースの速い80分間の血と血糊の映画だったなら、今作品は見事に成功してると云える。 
ベッドに隠された秘密を探る別の刑事の続編があってもいいくらいかな。
ある意味、ベッドは『ヘルレイザー』の嘆きの構成に似ている。
kuu

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