⭕️初見
近年話題になった作品ということで鑑賞。
原作未読。
正直、めちゃめちゃ舐めてました。
観る前までの自分マジ馬鹿。
一生懸命涙堪えて見切りました。
◼️これといって派手な演出はないが、シンプルにストーリー性が良い。
綺麗です。
いや、マジで本当に綺麗なストーリー性で驚きました。これは本当に原作がいかに優れた作品かということを感じさせられました。
細かな伏線(セリフや描写)や設定(図書委員ということやロケーション、季節)、語り部が未来の主人公であるところなど、全てが必要な要素で、無駄がない。
気持ちの擦り合わせは本当に上手で凄くて、冒頭の緩いテンポ感から、中盤で急速に主人公の気持ちがヒロインに近付けば近付く程、ヒロインが離れていってしまうようなあの感覚は本当にどうしようもない…。
演出に関しては、無難なシーン展開やカメラワークなので余計な情報がないというところと、淡い色味で暖かさと儚さが良く表現されていましたね。
とは言っても、映像で演出するのが難しいのかなぁと感じるシーンが幾つかと、尺か何かの都合で深く読めなかった演出がちらほらあったのが、個人的に惜しく感じた点。
ただ、この作品は最後まで観てわかる経過感とテーマ性があるので、収まりは鬼のように良い。
ただの純愛映画かと思っていたら“生きる”とは何かって聞かれた。
◼️キャラクター設定ってどう?
気になったのが、ヒロイン桜良のキャラクター設定。
演じた浜辺美波は難しい役柄だったと思いますが好演でした。
でもやっぱ、差し引きがいまいちピンとこなくて、というか”引き“(裏)は良いのだけど、”差し“(表)にはもうちょっとカリスマ要素欲しかった気もする…?あまり大きく見えなかったので、波が小さかったかもしれない…。
ただこれは原作に忠実(?)という意見も割と見えるので、個人的には物足りなかったかなぁ…といった感じ。
因みに、ガムくれる彼みたいなアイコニックな役がいる演出は良かった。描写としても、客観視という点、主人公の心が開けてくる過程なども描けるという点などで器用に使っていて、これは割と重要ポストじゃんって感じ。
◼️セリフ強い。
結局はここ。
文学に根ざしている設定では独特な思想が必要だし、それが互いの世界観をより良く演出していくことが重要視されると思うんだけど、この作品では程よくライト(高校生という設定も込みで)にそれを映していて良かった。
見方としては、大人が観る青春の輝きというところで、正直、凄い突飛で本格的な哲学思想ということではないので、お子ちゃまの戯言ぉって思う人もいるかもしれないけど、人生における重要な時間(ここでは高校時代)にある言葉の強さを感じました。
とは言っても、メメント・モリなので、吐かれる言葉は重いよね。
◼️総括
結局、良い映画でした。泣ける。おすすめ。
《好きなシーン》
「君の膵臓を食べたい」というパワーワードで全て完結しちゃうところ割と好き。
どれだけ言葉を綴っても、それが一番強いのって、2人だけの世界がしっかりとあるなぁって感じで素敵。