しゃりあ

君の膵臓をたべたいのしゃりあのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
3.2
思わせぶりでエッチ、断続的にクリシェが繰り返されるが、これは連載形式のなろうゆえ、「引き」と、インスタントに強い快楽が重視された結果の構造だろう

別にヤらなくたっていいんだけど、性的に思わせぶりなヒロインの行動に、物語上の意味が全く与えられておらず、まるでPV数を稼ぐために行動しているかのようで見ていて辛い

決して母になることのできない思春期の女の子が「迫る死と生」の対比の中で性的なセリフを吐くならば、生きる営み、生命が繋がっていく行為としての性を意識していなければいけないのではないか
ある意味ヤリまくりの恋空に敗北していると言わざるをえない

終盤の「えっ」となるギミック(これ見よがしな伏線だが)も、テーマであるカルペディエム的な部分を強調する役割よりも、むしろこういうヒロインが死ぬ系のテンプレへの裏切りをしたかっただけに見えてしまう

死によってお涙頂戴するストーリーが悪いとは言わないが、さすがにこういう扱いはヒロインの人格に対してかなり不誠実なんじゃないかなぁと考え込んでしまった……


わりとクサくなりそうなヒロインを絶妙に可愛く見せつつ演じてる浜辺美波はすげー