友二朗

LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門の友二朗のレビュー・感想・評価

3.6
「覚悟いたせ」

肉を切らせて骨を絶つ。
無音の世界。見切りの境地。

格好良いしか感想が出てこない。一般に理解し難い意地と信念。その切先こそが侍であり、漢なのだ。

冒頭カジノシーンのルパンの背中、その一瞬のカットが素晴らしい。一気に非日常を説明されて現実を忘れた。

そのすぐ後、五ェ門 斬鉄の技。
かっこいい〜。やー!

オールバック次元かっこいい。

城が建ってる賭博船デザインおもろ。

『肉を切らせて骨を絶つ』がまさか言葉通り映像となった。シンプルに肉が切れてシンプルに骨が絶たれた。あの傷治るんですかね。痛いどころの騒ぎではない。

ラストの威圧をもってする決着は最高。
よく分かってる。

グリンキースってなんぞ。

珍しく舞台は日本。
といっても日本には見えない。

マッチ棒を指でこすって火をつけるホーク。なんかこのキャラ好きになれそうでなれない。冒頭で実は哀しいキャラ?と思ったらただの変態。

水滴の音やボタンを外す音など効果音が良い。とにかく音が重要な作品。

銭形かっこいい!ブレーキで回りながらタイヤを撃ち抜くシーンええわ〜。

鮫のシーンかっこいい〜。

ルパンと次元が焼きおにぎり食べるシーン可愛くて美しい。

鉄竜会を切り回すシーンのBGMが秀逸。
もの哀しいバラード調

ラスト決戦の場、その演出が好き。
仏像が聳え立つ霧の中。

五ェ門と鉄竜会会長の関係って何?
調べても出てこない。なんであんなヤクザを守って、敵討ち発言までしているのか。過去に何か借りがあるのか。五ェ門の倫理観がバグっているだけ?もしあの会長良い人やったとしてもあんな部下置いとくようじゃそこまでのボスよ。

清々しいほどに振り切った作品。めちゃめちゃ社会不適な事を言うが、こればっかりは男子にしか良さが分からないのではないだろうか。そこに刀があったら触らなきゃ生きてられないし、森に行って木の棒があったらそれを持たなきゃならない。涙が込み上げてきたら背中しか見せられない。これは遺伝子に刷り込まれた宿命なのだ。

逆に遠足とかで木の棒持って歩いてる女子なんかおったら一目惚れするわ。

ロマンこそ全て。
ロマンこそ人生。

終始格好良いしか言ってない。でもほんとに格好良いもん。五ェ門大好きやけど絶対恋人とか夫にはしたくない。

読んでくれてありがとう。

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「お主らと肩を並べるだけなら
 これで十分でござろう」

「おい、あれ五ェ門じゃねえか?」
「あら?これまた奇遇だね」
凄いノリやな。

「どうやら命より大事なもんを
 奪われたようだ」
ルパンが言うとオッてなる。

「居合斬りを見切られた悪いイメージが
 頭の中にこびり付いてんだよ」
「呆れた。男ってどうして
 そう馬鹿なのかしら」
「馬鹿も馬鹿、大馬鹿野郎だな」
「男なんて皆そんなもんだろ」

「おい、コイツは新手の自殺手段か」

「見えた」

「指一本動かすな。
 そうすれば命だけは助けてやる」

「見えないものが見える仏の境地」
かっちぇ〜。

「死を前にして穏やか。
 お前のような男は初めてだ」

「煩悩は心を乱す
 お主の煩悩は殺戮の欲望
 恐れるは己自身か」

「案ずるな
 恐怖を感じてこそ人が人である所以」
かっちぇ〜〜!

「五ェ門、お前何やってんだ」
「多くの者を斬った、その者の供養だ」
「ふん、律儀なこった」
「かたじけない」
友二朗

友二朗