がぶりえる

オアシス:スーパーソニックのがぶりえるのレビュー・感想・評価

4.5
我が青春、OASIS。

16歳の頃からの僕のヒーロー、リアム&ノエルギャラガー兄弟。何度彼らの曲に救われたことか...。自ら「世界一のロックスター」を名乗り、瞬く間に伝説的ロックバンドへとのし上がったスターにして問題児。走り出したら歯止めの効かなくなる鉄砲玉の様な破天荒な2人のOASIS全盛期を切り取ったドキュメンタリー。

もうずっとカッコいい。曲はもちろん、2人の生き様がカッコいい。OASISというと、イギリスの田舎の問題児集団みたいなイメージを持たれがちだけど、リアムもノエルも意外と情け深いところがあって、人間臭くて良い。でなきゃ、あんな真っ直ぐな歌詞は書けないよね。2人ともやさぐれたツンデレなんだよ。「あの時は言えなかったけど、実は俺はこう思ってた」みたいなエピソードがいっぱい出てきて、そのツンデレ感がこの兄弟らしくていいなぁと思った。

でも、表では「問題児ギャラガー兄弟」でい続ける。問題発言、問題行動連発。今だったら多分ネットで大炎上してる。でも時代は90年代。世界はロックの熱に冒されていた。そんな中でギャラガー兄弟は、世の中の全てに対して対抗心剥き出し。何言われても「知るかよ」で返す精神。鬱憤、不満、悲しみ、怒りを音楽の力で消化する。リアムが言ってた、「あらゆるものに対する怒りが俺のロックの原動力だ。俺はその怒りをライブで歌うことでぶち撒けてる、いい意味でね。」ってまさにロックの精神。カッコいいな。

そんな問題児ギャラガー兄弟のヤサグレのイメージに反してOASISの曲の歌詞はとても真っ直ぐで明るい。それがまた良い。90年代ロックは暗い歌詞に世の中に対する不満を込める作風が多かった。OASISはその真逆を行った。どっかのOASISのインタビューでリアムが「『おれはもう死にたい』なんて歌ってる陰湿なヤツはロックじゃないよ。俺は毎日生きてるってだけで最高の気分だし、生きてることに感謝するべきなんだ。」て言ってて心に沁みた思い出がある。確かになあって。実際、キツいなって思った時にOASISの曲聞くと明るい歌詞に凄く救われる。リアムの自然体な声とノエルの天才的な作詞能力が生み出す最高の音楽に勇気づけられる。多分これからもずっと聞き続けるバンドの1つ。

マンチェスターあがりの問題児OASIS、"ファッキン"最高だぜ