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満月の夜のmasaccoのレビュー・感想・評価

満月の夜(1984年製作の映画)
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エリック・ロメール監督1984年の作品。「喜劇と格言劇」シリーズ第4作目。
冒頭の格言「ふたりの妻を持つ者は心をなくし、二つの家を持つ者は分別をなくす」を描く?
レミと同棲するパリ郊外のマルヌは当時、モダニズム建築ブームで、まさに2人の住むアパートメントもそんな感じだけど、レミはそういうプロジェクトに関わっていたんだろう。後にディズニーランド・パリができる地。ルイーズは不便だ、って言ってたけど、電車で20分くらいみたいなので、新宿から吉祥寺くらい?
パリのアパートメントの美術は、主演のパルカル・オジェが担当したらしく、グレートーンで落ち着きつつ、パステルカラーでポップな感じもあっておしゃれ。
外出着はブラックコーデなんだけど、部屋着は白だったりグレーだったり明るい色で意味ありげ。洗濯カゴみたいなバック流行ってたん?あとあのふわふわな、でっかいポンパドールの髪型も個性的。大きな瞳と細い長い眉、か細く高い声、華奢な腕、腰。パルカル・オジェの存在感が強く印象に残った。
オクターヴが腕を撫で回し過ぎ!友達だって言ってんのに俺と寝ろ!と言わんばかり、ほぼ言ってるけど、あれこれぐいぐい押してくるのうざい。妻おんだろ!
密着ダンスからの満月の夜のツーリングからのアパートメントに招き入れた男性に「息が詰まる」から早朝抜け出しちゃう虚しさ、なんかわかる。
愛と孤独にまつわる会話劇。
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