演出の特徴としては、フレームの中にフレームを作り出すということだろう。窓や戸などの開口部や柱などによって、フレームの中でさらにフレームを作り出し、その中で役者を配置することで画を多層にし、深みを持たせる。フレームの中のフレームは自由に形を変えることができるという良さもある
レイアウトに工夫は観られるが、レイアウトが甘い点も多いように感じた。決めすぎないのは敢えてだろうが、画的な面白さはあまりない。唯一ハニーの出てるシーンだけは、役者の美しさとオーラで魅力的な画になっていたが、他はオーラのない俳優が多いので退屈に感じてしまう。
小津安二郎的な、空気感を撮るようなというか、時間イメージ的なものを意識しているのだろうと思った。が、やや話が冗長に感じてしまったのと長く感じてしまった。十分に完成度は高い映画だが、自分には微妙かな