アランスミシー

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版のアランスミシーのレビュー・感想・評価

1.0
無駄にした4時間をどうにかポジティブに捉えたい、下関条約以降の台湾や中国の歴史をかけらも知らないユーザーがコメント欄に溢れてて笑う

これだけキャラが登場するって事は、さぞ造形が練られて各キャラ、歴史上の人物やポジションを暗示してるのだろうと思ったら終盤まで待っても全く見えてこない。
ならパッチギとかと対して変わらないただの時代投影ムービーじゃん
もし世界規模で知られてない内輪の社会問題をテーマにしてるんだとしたらそんな歴史一切知りもしないユーザーたちは何をもって評価してんの?
カサヴェテスでさえ毎回世界に通ずる社会問題をちゃんと描いてるし、手法の面でも価値がある。

それと比べて…
長回しの各シーンの中で描かれる、小アクションが全く他シーンとの関連性を持ってない、全体の構成だけ決めておいて、実際の各シーン撮影に入ると、他シーンとの繋がりを一切忘れてそのシーンが面白く見えるかどうかで判断って言う演出スタイルの時点でどう足掻いても良くなるはずがない。
繰り返し台詞&音響やシーンの無駄な間も鼻につくし、オマケに芝居も大根だらけ、言語分からないと下手な芝居もうまく見えちゃう閉鎖的思考な人間の典型。
周り中国語圏の観客だらけだったけど、ほぼこの映画をコメディとして捉えて笑いが何度も沸いてたぜ?
それくらい彼らの芝居や場面の空気感がシリアスなモノに見えないのが事実って事。
素人のスタッフや役者を育てたという意味で台湾映画産業という観点で見た功績を評価するならまだしも「学生の自主映画の延長に見えたけど製作めちゃくちゃがんばったから優遇して作品評価100点!」とはならないでしょ?
他にもっと社会(勝者たちの語る社会ではなく全人類の視点を公平に捉えた社会)的に優れた作品を努力して作った監督たちが居るんだから当然それを評価するべき
じゃなければそれこそエドワードヤン自身が最も嫌う偏った視点で評価された作品が歴史に刻まれる事になっちゃうからね?

本当にコメディをやりたいのなら皮肉を込めて振り切るべきだし、シリアスをやりたいならどう考えても甘いよ、
カイエ誌でもその年の10位止まり、三大映画祭の受賞なし。それが現実。
是枝さんや濱口さんが評価したってだけで乗せられるなよ、ほんと日本人の悪い所(偉大とされてる人が作品を偉大だと褒めてたからそれはきっと偉大に違いないってか?)
パンフの濱口竜介のコメント読んだけど、蓮實重彦化してて笑った。
同じ手法でもっと優れた事やってる映画他にあるよ。DAUシリーズの存在も知らない人間がまんまと彼の批評にハマるんだろうな
後のページに載ってた三澤さんの評論のが断然価値ある
著名人が共通して褒めてるのが「どのシーンも常にその外側に人が生きてるのを感じられる」って内容だけど、固定のロケーションと固定の役者たち(エキストラも含めて)を使いすぎて、俺にはただその撮影に合わせて大量の人物が動いてるだけに過ぎず、背景で動く役者の動きがより自然的であるとは感じられなかった。
自然に見せるには意図してそれを形成しなければいけないと言う事をエドワードヤンは知らないんだと思う。
人為的にこんな演出しないだろ、と思わせるようなより自然的なアクションを敢えて緻密に配分する事でリアリティというモノは作り出せるのだと

自分の憧れの人間も完璧じゃないって意識持ってもっと主体的に判断して生きてこう!
誰かが評価したからじゃなくて、自分にしかない評価基準持って言語化できるように努力しようよ

「えクーリンチェまだ観てないの?」とか言ってた人たち解説して貰っていいかな?
「まだ〜見てないの?」を上から目線で口にして良いのは受賞歴をメインターゲットに4000本以上観てからだからな?
しゃしゃり出んな
俺ですら言った事ないわ
観るべき作品なんて君たちが思ってるより何十倍もあるよ