やよい

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版のやよいのレビュー・感想・評価

4.2
前情報ほとんど無し、4時間という上映時間で挑んだ


小四に小明が、吹奏楽部の前で「俺が君を守る」と言い切るシーンが美しかった

でも、私のことを変えようとしないでと言われるシーンで、
確かに勝手に希望の存在にされると重たくて、息苦しい感覚になるから 小明の気持ちも理解できる


最初は4時間の映画と聞いて、すごく長く感じるんだろうなと構えていたけど、
意外とそんなに長く感じなかったし
観終えた今では、
一人の人生をそっくり伝えるには、4時間でも短いくらいだと思ってる

微かな感情の機微は、追体験しないと味わう事ができない
人生の年表に書けるような衝撃的な出来事は急であるべきだし、
ただそこに至るには突発的では無くて 必然性も兼ねている


スッと手に持った鉄パイプ?で電球を殴るシーン、手元も引きのカットもなくて
急に割れる電球だけが写されていて
説明なんてされなくても経緯がわかった
映画とはこういうことだなと思った
観ている人を信頼している作り方

それに気づけたことも嬉しかった


もう一度観た時は、次は映画として楽しめると思う
やよい

やよい