ゾロ

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版のゾロのレビュー・感想・評価

3.5
1961年に牯嶺街で起こった実話を基にした映画

この映画を観るまで事件の事は知らず
本作の存在も知りませんでした
台湾有事が現実味を帯びつつある中
1960年の台湾の雰囲気に興味があり鑑賞

約四時間あるけど、飽きる事なく観てられた
不安定な心情が目を離さない不思議な感覚

基本的に、登場人物や相関図や関係性と
地名、組織名、場所など固有名詞の説明が無い

更には、同一人物も呼び名があり
歴史的背景も少しあるので、事前情報を
抑えてから見る事がお勧め

簡単な人物相関図

主人公の小四(中二・16歳)は、大戦後に
上海から渡ってきた両親、兄、二人の姉、妹と小さな日本家屋で共に生活してた
押し入れが唯一一人になれる居場所

名門である建国中学の昼間部に合格できず、
夜間部に通うことになった小四は「小公園」と
呼ばれる不良グループのメンバーと仲良くなる

「小公園」のリーダーは人を殺して行方を
くらましているハニーと呼ばれる男

小四が保健室で出会う少女・小明は
ハニーの彼女

ハニーの代理として、頭角を出してきた滑頭
滑頭の父は中山堂というホールを管理する地位

「217」のリーダー山東

小四の親友
王茂(小猫王・リトル・プレスリー)
飛機
小馬

また、小四は呼び名で本名 張震


さて、感想

始まりのナレーションから
期待したものと大分違った…

(ナレーション)
1949年頃。
中国から数百万人が国民党政府とともに
台湾へ渡り、誰もが安定を願った。
しかし、子供たちはその成長過程で
大人の不安を感じ取り少年らは、
徒党を組んだ。
脆さを隠し、自分を誇示するかのように…



政情不安や大人の不安の素など
台湾全体の雰囲気や歴史背景が
感じ取れるかと思ったが
終始、不安定な小四を中心に描いていた

それでも、当時の雰囲気は味わえた
全体的に男性はだらしなく
女性は逞しく描かれていた印象

実直で人を疑えない弱い父と現実的な母
賭け事をする兄と敬虔な信者の姉
妬み絡む男性と慈愛と赦しの女性
恋愛を遊びとする男性と拠り所にする女性
自分色に変えたい男性と
男性に変化を求めない女性

恋と愛の違いについて聞いた事思い出した

 恋は自分の気持ちだけを考える
 愛は相手の気持ちも考える
ゾロ

ゾロ