ゆずっきーに

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版のゆずっきーにのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

超長尺の上映時間、古さを感じさせない洗練された画面作り、時間・空間双方の軸において遠大な普遍性を帯びたテーマ(台湾による台湾の為の映画、という前置きはあれど)。

戦後台湾の少年達を巡る青春映画でありながら、そのスケールと幅は余りにも広い。
私なりの解釈で主題を一つ引き抜くとすれば、「誰もが世界を変えたいと願うが、誰も己を変えようとはしない」というトルストイの言に符合するものを感じた(作中にもトルストイの作品が登場している)。鑑賞後1日が経った今でも脳が揺れている。

映画という闇の中深く深く潜って、その闇の素晴らしさを再確認するような贅沢な4時間だった。
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