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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版のrumblefishのレビュー・感想・評価

4.0
4時間、体感せよ。
見る者は、60年代の台北にて事件の目撃者になる。

物語がテンポよく進むことは早々に諦めた。学校や家族に起こる様々な出来事に付き合っていくしかない。暗闇と影が昼間とのコントラストで世界観を作っている。

小公園と217の対立は当初コミカルに見えたが、日本刀での殺しが出てきて印象が一変した。

小明はファム・ファタールというより、捉えどころのない、奇妙な透明感を漂わせている。決して美人とは思わないが、あの独特の危うさに惹かれるのは分かる気がする。その一方で、どこにでもいるただの少女の様に見える時もある。

小四と小明のラストは一体なぜなのか。
小四自身も、自分が何をしたのか分かっていない。
当然、観客もなぜそうなったのか、分からない。

警察で着替えを拒んで暴れる小四。
ただ、夏の夜に、何かに憑かれたとしか。