長い夢を見ているような作品でした。
画面が暗い。
しかし、その闇の深さに吸い込まれました。
誰が喋っているのか視認しづらいほどの遠景ショットの多用に加え、暗くてそもそも顔が見えない、そしてエピソードが線でつながっておらず、点の集積であるようなこの作品は分かりづらいが、観るたびに初めて観るような感動を覚えるようなそんな感じでした。
なぜ少年は少女を殺してしまったのか、明確な裏切りを知ったわけではない、若さゆえの勇み足もある、しかし、その不明瞭な動機は、当時の台湾の不透明さを背負っているようでもあるように見えました。
台湾の置かれた国際情勢がその親子関係にも現れているように思えました。
理不尽が理不尽を呼ぶ展開だが、確かに世界はこうなっていると納得させられました。
何回観ても圧倒される、とてつもなくすごい作品だなと思いました。