映画自体は先週に観ていたのですが、原作未読でしたので読んでから感想をと思って今に至りました(仕事もクソ忙しい!)
まず、原作との違いについては、舞台設定は同じにしたものの、中身は大分変わっておりました。テーマ的には同じような体でしたが。私は「原作に忠実に!」とかいう派ではない(むしろ変えて欲しいくらい)なので、「違う」のは特に気になりませんでした。
まず結論から言いますと、あまりうまくいってないなぁ、と思いました。吉田大八監督作としては、前作の『美しい星』と同様に、ちよっと常軌を逸したキャラクターを出して、それを泳がせているだけで終わってしまったという印象です。原作では重要な位置づけにされている、とあるエピソードと人物をカットした結果、結局、この映画から発せられるメッセージが希薄となり、かと言って『桐島…』のように想像力を掻き立てられるものでもない…という代物になってしまったような。「羊の木」が消化不良気味です。
『桐島…』では極めて「日常的」な世界観の中で、「普通の学生」な織りなす日常を描いたのに、あんなに面白い作品になったわけですから、変に「奇抜な人」がいっぱい出てくる「非日常」的な世界観よりも、前者の方が吉田大八監督には合っているのでは? と偉そうに上から目線で思った次第です。
ちなみに、各役者の演技自体は素晴らしく、キャスティングもこれ以上ないくらいハマっていたと思います。