ミラノ・スカラ座というのは、現在も進行形で偉大なるオペラの殿堂として存在し続けている。そしてその偉大な歴史を紐解くならば、それはそのままイタリアオペラ、否、オペラそのものの偉大なる歴史と同義であるということに否応無く気付かされるのだ。ヴェルディ「ナブッコ」初演、プッチーニ「トゥーランドット」のトスカニーニ初演等の伝説的なエピソードをはじめ、スカラ座を彩る興味深い逸話の数々…オペラファンにとっては、正に堪らなく芳醇な傑作ドキュメンタリだと言えるだろう。
その歴史を形づくる優れたアーティストたちの貴重な映像がふんだんに挿入されている点も実に素晴らしい。近年で言えば、ガランチャ・カウフマン・パーペ（とあと誰だか一人）とかいうトンデモなく豪華なメンツのヴェルディ・レクイエムの映像とかもあって、率直にテンションがあがりまくった。単純に音楽だけでも名演揃いで、重ねて、オペラファンなら必見。
