ドスティ

フェンスのドスティのレビュー・感想・評価

フェンス(2016年製作の映画)
3.9
オーガスト・ウィルソンの戯曲を舞台版でも主演のデンゼル・ワシントンが自ら監督・製作・主演で映画化した為、名作なのは保証済みで見応えあった。

50年代に生きる黒人中年男は世界も人も変わっていくのを認めず頑なに柵を立てる。
名優デンゼルとヴァイオラ・デイヴィスの演技は圧巻!

くだを巻き家族を抑圧しながら自分は外で勝手をするダメ男は、人種差別のせいで夢を潰されたと社会を憎み歪んだ心のまま息子の将来も決め付ける。
親子や夫婦の特別な悲劇ではなく、普遍的でどこにでもあり誰にも当てはまる話。

妻として側でずっと支えたのに裏切られたヴァイオラの感情の発露が白眉。

Netflix「オプラ+ヴィオラ」で、ヴァイオラが貧乏という言葉ではとても表せない極貧生活であらゆる差別や虐待を受けて育ち壮絶な過去を乗り越えてここまで来たことを改めて知り、彼女の演技の深みや重みの説得力が増した。

「殺人を無罪にする方法」でカツラを取りメイクを落とす場面は印象が強く今でもハッキリ覚えている。
ドスティ

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