キミシマユウキ

フェンスのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

フェンス(2016年製作の映画)
3.5
1950年代ピッツバーグ。家族のためにゴミ収集の仕事をするトロイ。過去の自分がそうであったように息子も失敗するのを恐れて夢を追うことを諦めさせようとするが…。

『トレーニングデイ』『グローリー』の
!!デンゼル・ワシントン!!
が主演&製作&監督まで務める家族ドラマ
原作は戯曲だとか。
アカデミー作品賞を含む4部門でノミネート!

人を追い出すためにフェンスを立てる者もいれば、人を招き入れるためにフェンスを立てる者もいる。

濃密な2時間。
主に会話だけで語れる一つの家族の人生。
俳優達の熱が篭った演技がなければ集中力が切れてしまうような作品だった。
映画というよりは本当に会話劇を観ているような印象。
頑固だが家族のためにコツコツと働く父、
それをただ滅私奉公に支え続ける妻、
音楽家になる夢を追い続ける長男、
フットボール選手として有望な次男、
彼らのこれまでの人生、これからの人生が家の中や庭で語られる。
ずっと観てられるが、1歩間違えれば非常に退屈な話になっていただろう。

キャスト陣の功績が非常に大きい。
主演のデンゼルは言わずもがな。
いやぁ饒舌な役の彼が放つホラが何故か魅力的で耳を傾けてしまう。普段のインテリキャラと違って下層市民な役だがやはり芯が通っている役がピッタリだ。
妻役にはヴィオラデイヴィス。
『スーサイド・スクワッド』『ヘルプ』などで最近頭角を表している黒人女優。
彼女の後半の独白は迫真過ぎて息を飲んでしまう!!今作でアカデミー助演女優賞を見事勝ち取ったのも誰も文句はないだろう。
あとは親友役のボノさんがめっちゃいいやつでした。

役者達の演技合戦を楽しむドラマなので、みんながみんな楽しめるとは思えないがたまにはアクションばかりの脳筋映画じゃない作品も見ましょう(自戒)

デンゼル・ワシントンの演技が観たい方、デンゼル・ワシントンの監督が観たい方、そしてデンゼル・ワシントンが好きな方にはオススメの作品。(デンゼル祭り)