Hazix

フェンスのHazixのネタバレレビュー・内容・結末

フェンス(2016年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

日本劇場未公開作品。
ヴィオラ・デイビスが助演女優部門でオスカーを獲得したにも関わらず、日本公開が叶わなかった作品。

1950年代、公民権運動が盛り上がりを見せる時代のある黒人一家の物語。

人種差別がまだ色濃く残る時代に黒人たちが生き抜き、家族を守るということ。
それぞれのフェンスは"守るための壁"か"縛るための檻"なのか。

女好きで厳格な父トロイは過去の辛い経験を胸に、彼なりの考えで家族に接する。妻ローズはどんなに限界が来ようと耐え忍び、良き家庭を作ろうとする。
父の不器用な責任感と母の偉大な忍耐力。

「待つ日は長い」
埋めたばかりの種が芽を出すのを待つ娘のレイネルに対するローズのセリフです。
彼女の願い、望み、夢、全てをトロイに植えて祈り、いつか大輪の花を咲かせる日がくるのを待ったローズが言うこのセリフはすごく重みを感じました。
花が咲いたかどうかは別として、夫婦は衝突しながらも分かり合い、愛し合っていたことは最後のシーンで確信できるはずです。

この作品は当時の時間や場所、環境に置かれた人たちの魂の叫びのような作品だそうで、そもそも当時の時代背景に馴染みの無い日本人にはこの物語を全て理解するのは難しいと思います。

ただ、今のアメリカはこういった人たちが努力して作った基盤の上にあることを知ってほしいとキャストたちはメイキングで語っています。

ヴィオラ・デイビスのオスカー演技はもちろん素晴らしいもので、難しい役柄の内面を見事に表現し、偉大な母を演じきっていました!!

デンゼルファンの自分にとっては心ゆくまでデンゼルの演技を堪能でき、大満足です。
喜び、笑い、歌い、踊り、叫び、怒り、失望するデンゼル。
自身が出演した舞台の映画化ということで監督兼主演で気合いの入ったデンゼルは間違いないです。

ちなみにコーリーとレイネルを除く主要キャラクターは舞台のときと同じキャスティングみたいです。
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