健一

フェンスの健一のレビュー・感想・評価

フェンス(2016年製作の映画)
3.9
戯曲の映画化なので台詞の多さが半端ない。
そして重い。
字幕を追いかけるのが 超大変。
鑑賞後、正直ヘトヘト☺️。
それでも劇場未公開はない。

デンゼル・ワシントン監督+出演の3作目。
ヴィオラ・デイヴィス アカデミー助演女優賞を受賞した作品。

にもかかわらず 劇場未公開。
なぜ? ホント信じられない!

借金を願い出る疎遠だった長男。
自らが叶わなかった夢。
息子(次男)が父親を乗り越えて行く事への嫉妬。
少しずつ 壊れて行く家族関係。
不倫の末の告白。
文字が読めず 免許もない父。
人種差別。
自宅を囲う「フェンス」作り。

あまり接点はないけど観てる途中で「寅さん」を思い出した。
悲劇の🇺🇸版「男はつらいよ 」って感じ。

やはりどうしてもデンゼル・ワシントン扮する主人公の父親 目線になって鑑賞してしまう。
もう「寅さん」に匹敵するくらいの ハチャメチャ&自己中な お父ちゃん。
周りにいる家族達は大変だ。
この父親を どう感じればいいのだろうか?
50年代のアメリカの父親って みんなこんな感じなのか?
当時の一般的な普通の家族を描いているのだろうか?
見るたびに いたたまれなく なって来るし、気分も滅入ってくる。
正直 作品に共感出来る部分はひとつも無かったが、演者たちの演技が素晴らしいのは 間違いない。

長い間『無冠の女帝』と言われて来たヴィオラ・デイヴィスも本作で ようやくオスカーを受賞!
本作での 涙 と 鼻水 垂らしまくりで叫び散らす名演は映画史に残る最高の演技と言ってもいいだろう。
是非とも 彼女のオスカー級の演技を映画館のスクリーンで堪能したかったのに。無念。

デンゼル・ワシントンも自らのイメージをぶち壊すかのような この難しい役柄を監督業もこなしながら よく演じ切ったと思う。
デンゼルの弟役を演じたミケルティ・ウィリアムソンも いい味出してました。
アカデミー賞授賞式でヴィオラがオスカーを受賞しスピーチをしている際に 流していた涙😭が印象的でした。

第89回アカデミー賞
作品賞、主演男優賞、
助演女優賞、脚色賞ノミネート。
健一

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