このレビューはネタバレを含みます
非常に好き嫌いが分かれると思う。
元々は戯曲で舞台で演じられていたものらしい。
かなり会話中心。少々きつかった。
舞台をそのまま移植したようで、場面転換も少ないし長い台詞が多い。原作へのリスペクトはいいけど。
DVDで最初は吹き替えで見ていたが、主人公のデンゼルワシントンの声が大塚明夫さんですごく違和感があり、途中から字幕に切り替えた。
これは第二次世界大戦後の黒人アメリカンの年代記です。激しい差別の中で必死に苦労を重ねて生きたデンゼルワシントン=トロイ。
彼は息子達がのびのび生活して行くのが気にくわない。息子の一人コーリーがアメフトの有望選手として契約できるのに、そんな息子へのジェラシーか、サインをしなかった。コーリーとトロイの深い確執だ。
また献身的な妻であるローズにトロイはきつい裏切りをする。トロイは全てを失う。
トロイの理論はブーメランだ。俺が稼いだ金でお前らは食べて行ける!だから俺はどこにも逃げ場がなかった!でも子供達が食べて行けるようになったら?妻も同じように窮屈さを感じていたら?
さらにトロイが建てたという家は半分は兄が大戦の時に脳に障害を負い、その見舞金によるものだ。だから半分はトロイの後ろめたさが詰まっている。
見事に破綻するトロイの主張は彼を孤独にさせてしまった。
トロイ、コーリー、ローズという3人がそれぞれ主人公で、中でもローズは凄い。コーリーは父親のことが心底嫌いで、彼をどうしても否定したいけど、ローズはトロイを許す。
139分、長く感じるかもしれない。