このレビューはネタバレを含みます
幼少期から大人になるまで、ずっと母との関係や内気な自分をはじめとした悩みを抱えている。その表情が俳優3人とも上手く揃えられており、俳優が変わっていても"シャロン"は変わってない/変われないのだと感じる。
マスキュリズムが強いコミュニティに当てはまらず、オカマと言われ仲間外れにされる。
印象的なシーンとしては、砂浜で起きたシャロンとケヴィンのキスシーン。誰も見ていない砂浜で、月明かりのもと、引き寄せられる何かを感じる。フアンの言っていた「自分で分かる時が来る」と繋がる。
悪夢として思い出される母からの拒絶を含め、彼が彼としている時の場面が視覚的に暗い。
また、ラストシーンにおいても、体格が男になり、金色の入れ歯や高級車を持っていても、シャロンの中にはリトルシャロンがずっと苦しんでいた。そのリトルシャロンを潰さずに彼が報われていると思わせる描写が好みだった。