ぺち

ムーンライトのぺちのネタバレレビュー・内容・結末

ムーンライト(2016年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

何年も前からこの印象的なジャケットが気になっててずっと観なきゃと思ってた作品、
観終わって初めてジャケットの意味に気づいた、、!

やっぱりバリージェンキンスさんの作品は始まった瞬間から一瞬も目が離せなくなるというか観客を惹き付けるとてつもない引力を感じる、とにかくカメラワークと色遣い、音の使い方とか人の表情の映し方、どれをとっても印象的、

ただ集中力の問題ではなく正直苦しすぎてリトル編のタイミングで一旦止めてしまったり、2/3くらいずっとしんどくて空気薄いなって感じで観るの1回でいいかなと思っていたけど、ラストの月明かりでブルーに照らされた幼少期のシャロンの姿まで見た上で、あぁやっぱりこの作品はまた観ないといけないなと確信した、

1人のシャロンという人間が成長していく3部作として描かれている中で、
私個人としては幼少期のシャロン、1のリトルを観ている時間がとても苦しくて、
悲しみも苦しみも痛みももう何も感じなくなってしまったとでも言うようにあんな幼いのに一滴も涙を流さず感情も表に出さないシャロンが本当は流したい涙や内に溜まった負の感情たちを私が代わりに全部もらったのかなというくらいシャロンの心の中を想像してずっと泣いてしまった、心臓潰れそうだった、
外ではいじめられて帰っても家では薬物中毒の親に罵倒されて、もう辛い、

一番観ていてしんどかったのに最後に思い出してしまったのも第一部のフアンの言葉だったりして、
どんなに血の繋がった家族から愛情をもらえず孤独な家庭環境だったとしても、
幼少期のうちにシャロンがフアンのような大人と出逢えて、「自分の生き方は自分で決めろ、周りに決めさせるな」って大切なことを教えてくれる、想ってくれる人が近くにいて、逃げ場でも救いでもある人や場所、環境があったことが本当に良かったって思った、愛されることに血の繋がりなんて本当に関係ないから、

正直全体を総括する感想はまだ私の中で見つけられない、
でもこれはいじめ、ドラッグ、差別、毒親、同性愛、そのどれを描きたかったということではなく、シャロンという1人の人間と、彼が触れた愛についての物語なのかなと感じた、


「泣きすぎて水滴になりそうだよ」って台詞とか、海辺でのケヴィンとのシーンや海の音、最後に海辺に立ってブルーに照らされたシャロンの振り返った表情、そのどれもがまだ鮮明に脳裏に焼き付いてる、🌊🌙💧
ぺち

ぺち