JTKの映画メモ

ムーンライトのJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
4.5
「ラ・ラ・ランド」みたいなペラペラの薄っぺらい映画に監督賞を受賞させるようなアカデミー作品賞受賞作故若干の不安もあったが全くの杞憂に終わった。男と男の切なくもほろ苦い純愛映画としてはパーフェクト。後半は胸がキュンキュンしまくりラストの2カットは鳥肌もの。アカデミー獲るくらいだから万人受けする明解さを併せ持ちつつ沈黙の行間を読む上質なフランス映画のような趣との絶妙なバランス。アホなアメリカ映画や低レベルの日本映画にありがちな不粋な饒舌さとは一線を画した静謐ながらもコトバよりも目や顔で語らせる描写とオリジナリティある映像美。なんといっても主人公シャロンがチャーミング。後半、人が変わったかのような、まるで格闘家ランペイジ・ジャクソンの如くムキムキになったシャロン。なんだこりゃと思うのも束の間、旧友と再会し打ち解けてからは昔のシャイでひ弱なシャロンちゃんに見えてくるから不思議。上手いわ、この監督。
夫婦揃ってゲイ好きなんで満足至極のあっという間の2時間弱。素晴らしい!非の打ち所なし!