このレビューはネタバレを含みます
湿度が高そうな、蒸し蒸しした汗臭い夏の映画が好き。映画なのに自分があたかもそこにいるかのような錯覚に陥れるから。
お話はというと。。うーん。話を面白く進めるには、のりこが猟奇的なモンスターになるしかなかった感じですかね‥。ストーリー上ある程度は仕方ないのかな。鬼のような形相で、超えてはいけない線まで余裕で超えてしまう。あれこそ女の本性だと思いました。女優さん、さすがです。
ただ、本来あるべき姿としてはのりこの行動は違うかなと。あれじゃ彼女はれっきとした殺人者。。
本当に相手を大事に思うなら、殺してはいけないし、北野先生を許せなきゃ。ほんでもって北野先生が愛した彼女も許せなきゃ。自分の大事な人が愛した人なんだから。許せてない時点で彼女は北野先生を本当に大事に出来てないんじゃないかな。結局は、北野先生を自分のものにしたいっていう彼女のエゴに他ならないし。
あと、北野先生と紗和ちゃんもあのままじゃダメだったんじゃないかなと。彼らは恋には落ちたけど、本当にお互いを大事に出来てたのかな。特に紗和ちゃん。
恋に落ちる事は簡単だけど、相手を本当に大事にしてあげる事は難しい。
だって皆んな自分が大事で、自分さえ良ければいいから。
でも、死ぬまでに自分よりも大事に出来る相手が1人でも出来たら人は本当に幸せになれるんじゃないかな、と個人的には思ったりします。
スコアは映画に漂う空気感が凄く気に入ったし、今までにあんまりないタイプの映画かなと。不倫というだけでは無くて。自分が愛する事で、傷つけてしまった人にここまで焦点を当てた映画もなかなか無いかなと。周りがみえてない脳内お花畑の2人の恋愛映画が最近多かった気がして。頭叩かれた気分になりました。うん、おもしろい。
まぁでも恋愛なんて人間関係なんだし実際こんなもんだろうな、とか思ったり。人は殺しちゃダメだけど。間違った事を沢山して後悔して恨まれてそれでもなんとか上手くやって自分の居場所つくって‥。人が生きるって事はそういう事で、辛く無いわけがない。結局は、紗和ちゃんみたいに強くなるしかないんだよね。
p.s.
松居大悟監督何度か出て来てびっくり！
アフロ田中のあの監督が！
渋谷のバーで握手したのは良い思い出‥
