ディカプリオは20代の頃アル・ゴアに温暖化を教わり、25歳でクリントン大統領と気候変動の対談をしている。それから22年後に公開された「Don't Look Up」は、彼の念願だった訳だ。20年前は、個人が電球を取り替える程度のことで解決すると思われていたが、その時期はとうに過ぎたという。オバマ大統領やローマ教皇といった豪華キャストが登場するが、なかでもキリバス共和国大統領との対談が興味深い。やがて水没すると言われるアバイアン島では、希望する国民のフィジーへの海外移住政策を進めているという。「日本沈没」を誰が茶化せるだろう。私もいずれは肉食を辞めようとなどとぼんやり考えていたけど、メタンガスを多く放出する牛肉を控えるだけなら今日から出来そうだ。しかしうちの父親は車通勤をやめないし、母親は牛肉料理を作りつづけるだろう。むろん自分だって。家族と議論するのはたやすくないけれど、世論を変え、投票し、政治参加しなければ、地球から生命が失われてしまうのだ。
