Benito

女神の見えざる手のBenitoのレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
4.3
【 予見することがロビイストの仕事 】

政治や世論をひそかに裏で動かし
社会に様々な影響を与えていく
そんな存在の女性ロビイスト
'ミス・スローン' が主人公
(映画の原題でもある : Miss Sloane)

彼女は
凄腕で、冷酷で、知的で、完璧主義者
夜も眠らない
でも、稀に弱いところも見せる

彼女は
銃規制法案の反対派
法案通す為に部下と共に会社を移籍し
ロビー活動を巧妙な戦略で仕掛けていく

そして映画の魅力は
*政治ドラマをエンタメに仕上げている
*人物と組織の描写が見事すぎる脚本
*ジェシカ・チャステインの存在感
*ロビイストの活躍を知ることができる事
*ロビー会社同士のスリリングな駆け引き
*劇伴のマックス・リヒターが神がかってる
 → ピアノ、弦楽器、アナログシンセを巧みに融合させたサウンドは癖になる。ループしていたり、浮遊してる様な、環境音楽の様でもあり、ミニマルミュージックだけど、音圧もあって、重厚な完璧なサントラになってる。
https://youtu.be/JlPjK2HiMbY?si=wFqanPvonz9X-K0a
 


銃乱射事件が続くのに銃規制が進まないアメリカの闇を真正面から見せつけられた。
何とかならないのかな、アメリカ…

そういった世界を観ていて、重々しさと痛々しさに支配されそうになったと思ったら、スローンの仕掛けた巧妙な戦略が明らかになってくる後半には驚かされる。

 敵の一歩先、二歩先を読み
 対策を講じつつ
 相手が切り札を出したら
 自分も決定的なカードを出す

そのミス・スローンの信念、
そして生き様には、ただただ圧倒された。
Benito

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