SAKA

女神の見えざる手のSAKAのネタバレレビュー・内容・結末

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

日本人には馴染みにくい銃社会とロビー活動(日本にもあるけど)の映画。
会話のテンポが鬼早いので映画館で見るより家で見るほうがいいかも。

どんなに悲惨な銃乱射事件が起きても銃規制が遅々として進まないアメリカ。
その理由の一つが毎年数百億円にも及ぶ政治献金を行う全米ライフル協会の存在だ。
潤沢な資金をもって規制法案をロビイ活動でつぶしてきた。そんな圧倒的不利な状況下で敵に立ち向かうロビイストの姿を描く。

目的達成のためなら手段をいとわない、まさに女ダーティーハリーといったところか。違法な捜査で連続殺人犯を射殺したキャラハンがバッジを投げ捨てるがごとくエリザベスもキャリアを捨てて、このロビイ活動に勝利したのかもしれない。

マイナスポイントはどんでん返しの仕掛けは少々拍子抜けだった。
右腕だった彼女の裏切りと見せておいて実は密偵として残していたというのは正直単純であり、敵側はあの証拠書類だけでも彼女を陥れることは可能であるのにボロを出したのは主人公サイドのご都合主義に感じる。

ラストの彼女の言葉にこの作品のテーマがある。
命を失うくらいならキャリアを捨ててもいい。彼女は自分を捨て駒にしてでもキャリアのために勝利したかったのではない。キャリアを犠牲にしてでも銃規制法案を通したかったのだ。
ここの理解はおそらく本国と日本ではまた違う受け取り方をするだろう。
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