きのこ

女神の見えざる手のきのこのネタバレレビュー・内容・結末

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ロビイストという職業はこの映画で初めて知ったくらいだし、政治のことなんて全然知らない。
そんな政治に疎いわたしでも、ぞくぞくさせられる作品でした。

専門用語がとても多いし、セリフも多いし、散りばめられた伏線もたくさんあって、正直ついて行くのが大変だった。
でも、見逃せない。
わからなくても理解出来なくても、こんな言い方するのも変かもしれないけれど、雰囲気だけでもストーリーが伝わってくる感じ。

自分を犠牲にしてまで、本当に正しいことをする。
周りを味方につけることも、協力してもらうことだってできたはず。
それでも1人で戦うスローンのかっこよさには痺れた。
ただかっこいいだけじゃないのです。
その理由にぞっくぞくします。
常に誰よりも1歩先を読む、そんな彼女だからこそ。

冷徹な氷の女で、キャリアのためなら人の気持ちも利用して踏みにじる…
そんな嫌な女だと思っていたけれど、やっぱりそこまで冷酷な血の通っていない人間なんてなかなかいないんだなと感動。
どんな人間にも、やっぱり”心”はあるんです。
(いや、こんな広い世の中ですからね、自分よければ!みたいな人間もいるにはいると思いますけど。。
まあそれは置いといて。)
スローンを信じていたあの女性と、その女性を信じていたスローンの絆というか信頼関係にもぐっときました。
スローンは、本当は誰か理解してくれる人が欲しいけれど自分を抑えてしまって、そういうのをさらけ出す場所や人がないんだろうな。
本当の自分を上手く出せないというか。だから周りには冷たい人間だと思われる…不器用というかなんというか。
そんな彼女だからこそ出来る仕事なんだろうか。
その拠り所が恋人代行サービス?みたいな感じなのかしら(;_;)

ラストシーンに全てが明らかになる快感と、疾走感は本当に最高。
鳥肌ものです。
きのこ

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