Tai

女神の見えざる手のTaiのレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
4.0
巧妙な話術による会話劇にヒヤヒヤのハラハラ。
次第に追い詰められていく彼女の行く末に驚愕でした!

まず、本作について知っていなければならないのが「ロビイスト」と呼ばれる人物達。
いわゆる〝ロビー活動〟をする個人や団体のことですね。
私がロビー活動という単語を初めて聞いたのは、おそらくロンドンオリンピック時の室伏広治さんが問題になったニュース。
日本では聞きなれない言葉なので、当時は〝根回し〟程度で解釈していました。
しかし本作の主役であるスローンが行なっている活動は、私のイメージしていたロビー活動とは一線を期したもので、ヒリヒリとした戦略合戦でした。
より多くの賛同者を得るために裏工作はもちろん、時には自ら表舞台に上がり考えを主張することも。

独り精神をすり減らし、ほつれ切れそうな内面を他者に見せることなく気迫で立ち続ける強さを見せるスローンが仕事人として格好良すぎる!
バリバリのやり手で無双状態であるかのような彼女ですが、あくまで冒頭のシーンに繋がっていくのかと思うと、その行き着く先が全く見えず、ドキドキしながらラストまで魅入られました。
それだけにクライマックスの展開にア然。
すっかりしてやられた感に満足の作品でした!
Tai

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