SetsukoAzuma

女神の見えざる手のSetsukoAzumaのレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
4.5
天才ロビイストの女性が、銃規制の法案を巡り、敵も味方も欺きながら、全てをかけて戦う姿を描いた超クールなサスペンス。

彼女に比べたらワーカホリックやキャリアウーマンという言葉が、まだまだ甘く感じるほど、全てを仕事にかけているのがわかるんですが、これは誰も真似できませんね。
男以上に、男らしいというか、とにかく、戦略も頭脳も、肝っ玉も、ずば抜けている!

本人は、こういう人生しかない、という状況で医者に止められても、命を削ってまで仕事をして、ロビー活動で勝つだけを生きがいにしているようですが、心の底にある彼女なりの信念があって、何かを抱えていることは主人公の表情で見て取れるのですが、この映画の他の作品との違いは、そういうお涙頂戴劇には絶対にさせない!と主人公と同じ姿勢で、あくまでもこの銃規制問題の戦いのみに話を集中させたところ。

崖っぷちまで自分を追い詰めて、肉を切らせて骨を断つ、すさまじい仕事ぶりに、昔は働きマンだった私も舌を巻いた。

モラルや人間的にどうなのかな?という点もありながら、あれだけ、部下がついてくるのも頷ける。

私もこの人の部下になってみたい・・・と思ったくらい(でももう1日15時間とか働くのはやだ)。

人との関係を極力ドライにしていると見せかけつつ、皆がその才能に憧れ、信用しているのがわかります。
ああいう人にポイっと無茶ぶりされても、そこには意味があって、かなり勉強になるという(ついていける部下も有能なメンバーばかり)、なんとも素晴らしい上司でもありました。

でなきゃ、チーム全員が15時間働いて、「まだやれる」とは言わないでしょう。

利用できるものは、何でも使い、勝つためには、手段を選ばない彼女も、守るものと捨てるものを明確に持って戦っていたのがラストわかり、それでも孤高に生きる姿がかっこよすぎる。

敵とのロビー合戦もかなり見もの。
戦略合戦が燃えます。

主演のジェシカ・チャスティンの美人でクールなやり手ロビイストの迫力ある演技が素晴らしく、話題になったのもうなずける1本。

彼女のような人が、日本には必要かもしれません。
彼女ならコロナ騒ぎをどう収集させるか?
いい仕事してくれる政治家と世論を動かしてー。