グリーンツー

サクラダリセット 後篇のグリーンツーのネタバレレビュー・内容・結末

サクラダリセット 後篇(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

個人的には面白いと思うんだけど、周囲の評判はすこぶる悪い。

「超能力」を使った心理戦という意味では「ジョジョ」に近い作品。ただ、「時間」にまつわる能力が多いから一歩間違えると「何でもあり」になる。そうならなかったところに原作者のセンスがある。

確かに、前篇で劇的な登場をした「2代目の魔女」。彼女にもっとストーリーに絡んでほしかった、また春埼と浅井との三角関係をもっと描いてほしかったなど物足りない点はある。実際、原作は何冊もあって、映画はそれを凝縮したりカットしたりして作られている。そしてより原作に忠実なアニメはより面白い作品に仕上がるはず。

だけど、この作品に込められたメッセージである「愛」、単なる「LOVE」ではない、もっと広い意味の「愛」。能力が「時間」にまつわるものが多いのも、このメッセージが大きく影響してると思う。また、ラスボスが及川光博なんだけど、彼が「悪」かと聞かれたら決してそうではない。この作品は決して「勧善懲悪」ではないし、どちらも「間違い」ではない。そこに物足りなさやスッキリしない気分を感じた人はいると思う。でも個人的にはこのメッセージは好きだし、またこの作品自体も決して悪い作品ではないと思う。前篇と併せて評価したら、間違いなく2017年の第1位(現時点では)。

また余談だけど、「帝一の國」を観てからの方がより楽しめる。役者・野村周平を楽しむなら是非どちらも観るべし。