りりー

スウィート17モンスターのりりーのレビュー・感想・評価

スウィート17モンスター(2016年製作の映画)
4.8
素晴らしい青春映画!十代の頃に観ていたら、生涯の映画になったかもしれない。それくらい素晴らしかった。ネイディーンはわたしだと、きっとたくさんの人が思うだろう。映画で描かれる17歳の少年少女は、若さはもちろん、儚さや瑞々しさのようなどこか神話的なイメージを感じさせることが多い気がするけれど、でも自分のことを思い返してみれば、17歳ってみじめで自棄で最低最悪な時期だった。自分が世界でいちばん不幸な気がしたり、この先何十年も生きていかなきゃいけないなんて気が狂いそうに思えたり。ネイディーンが隠そうともしない不機嫌さともてあました絶望に、とうに過ぎたはずの17歳が、忘れていたあれこれが思い出されてつらかった。それでも、本作はネイディーンのことも、わたしのことも抱き締めてくれる。何かを失わなくては大人になれない、なんて嘘。必要なのは想像力を持つことだ。知ろうともしなかったダリアンの苦悩を、クリスタの恋心を、モーナの飲み込んだ言葉を、アーウィンの優しさを想像すること。そうしてネイディーンはネイディーンのまま、ちゃんと大人になれたのだ。

登場人物がみーんな良い。ネイディーンはもちろん、大人にならざるを得なかったダリアンやクリスタ、適当ながら的確な対処ができるブルーナー、孤独に疲れたモーナ。そしてアーウィン!恋する彼の一挙一動がキュートすぎて悶えた。プールのシーンなんて、あまりにキュートで少し泣いた。ラストも良かった!ネイディーンとアーウィンに、今年のベストカップル賞を授与します♡
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