たた

ジェーン・ドウの解剖のたたのレビュー・感想・評価

ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)
3.8
こわー…。&グロ&えぐい。

久々にちゃんとビクビクできる怖いホラーを観た気がする。

登場人物が少なくて舞台が変わらないので、閉鎖空間で死体と向き合う息苦しさを感じながら、ぬるりと物語の中に入っていけました。

世にも美しい死体を演じた女優さん(死んでるだけだけどこれは立派な演技)、他の出演作品がほぼなくて素性がよくわからないのもミステリアスで良き。
自ら動いて見せるのはほんっの一瞬にすぎないのにこの存在感。死んでるのに。死んでるのに!

超常現象に頼らない展開や、怪奇な出来事もギリ科学的に説明可能なリアルホラー…を期待したんですががっつりオカルトホラーでした。
でもおもしろこわい。

何と言っても、あの死体が怖い。うつくし怖い。
観てる間ずーっと、今この瞬間カッ!と目を見開いて睨みつけてくるんじゃないか!
ゾンビのようにぐわぉと襲いかかってくるんじゃないか!
とビクビクしてたのに、逆にそうでないからこそ、不気味な恐ろしさが腹の底にじんわりと蓄積していく感じ。

……

しかし死体安置所兼火葬場を、小規模な個人事業的に家族経営してるなんて、イギリスの田舎では珍しくないんかな。
また、マスクしないのが気になるんだけど、実際の人たちはどうなんだろう。
匂い対策は?
実際はどんなもんなのか実感はしたくないけど、匂いや湿度なんかの不快感が想像できるような演出があるともっと良かった。

……

ガラスの仮面で北島マヤが、人形役を演じるため「何もしない演技」の猛特訓をするシーンがあります。
何もしないを演じるとはどういうことなのか。何をすれば何もしないになるのか。
ジェーン・ドウの女優さんにはどんな葛藤や役作りの苦労があっただろう。
たた

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