てんあお

ジェーン・ドウの解剖のてんあおのレビュー・感想・評価

ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)
3.9
2017.12.2~3 新文芸坐オールナイトにて鑑賞

だいぶ話題にはなっていたので、何が評価されているのかと気になっていたけれど、司法解剖とオカルトを掛け合わせた斬新さに惹かれていたのだな、と納得はした。でも、わりと分かりやすいストライクゾーンの映画ではあった。ちょっと驚かしが古典的で、暴力的(音量が)だと思う。

件の司法解剖描写に関しては、塚本晋也監督『ヴィタール』で免疫ができていたので、そのあたりの拒否反応はなかったけれど、それでも肋骨の除去と頭部切開はキツいかな。

結局彼女は何者なのか、を引っ張れば引っ張るほど、長く味のするガムになるのかも知れない。それが良いとも言えるし、ちょっと食傷を覚えたりもする。

何がネタバレになるか分からないけれど、奇しくも『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』と同じ年に(日本では)公開されたことが、なんとも興味深い。いづれもシリーズ化される可能性があるけれど、片やブロックバスター、一方こちらはカルトホラーという棲み分けが成立しているところに、この映画世界の 層の厚みを感じる。
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