プペ

ジェーン・ドウの解剖のプペのレビュー・感想・評価

ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)
4.0
なるほど、これはすごいホラーだ。

ホラー映画に限ってはジェームズ・ワン監督以外はまだまだ信用しきれていないので、どうなることかとビクビクしながら観すすめたが、流石はフォロワーの方々が絶賛しているに相応しく、″しっかり″と面白かった。

舞台はほとんど解剖室。
出て来る登場人物も少ない、いわゆるシチュエーションホラーの一作。

あまりにも美しすぎる死体を解剖していくたびに普通ではない″もの″であることに気がついていくシークエンス、″それ″がなんであるか経験豊かな老検視官トミーと息子で論じるミステリー、解剖が進むたびに場の雰囲気の異常に気がつくホラー感、そしてすべてが収束するラスト。

″ジェーン・ドウ″という良質の素材をもっとも美味しくいただけるよう演出・展開される物語が超興味深い、そしてゾクゾクするほどに恐ろしい。
人知を超えた異常な″ジェーン・ドウ″に対して医学的科学的である検視、解剖でそれを明らかにしていくこの流れが知的好奇心を刺激するとともに、決して開いてはいけないと思わせる背筋ぞわぞわ演出がベストマッチだ。

途中、「え?あっち系に行っちゃう系?」と思うところもあるけれど、この映画は安易にあっち系には行かないので安心して最後まで身を委ねてほしい。
すべての真実は″ジェーン・ドウ″の中にある。
そして、その恐怖の源も…。


″ジェーン・ドウ″の美しすぎる死体に誘われて、深く暗い「恐怖」というエンターテイメントを堪能した夜だった。
プペ

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