短文感想 53点
発掘良品第87弾。
今ではインカ帝国という言い方が主流ですが、当時はインカ王国の言い方だったのか。実際にマチュピチュなどをロケ地として主人公たちが進んでいくアドベンチャー映画。かのインディ・ジョーンズにも影響を与えたと言われる作品です。作中で話される言葉はケチュア語でしょうか？ロマンに溢れた作品なのですが、やはり少し見劣りします。ただ、チャールトン・ヘストンが主演だったのでどことなく安心できました。

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　インカ王国の秘宝、黄金の日輪をめぐる争奪戦。
　チャールトン・ヘストンが演じる主人公ハリーは、インディジョーンズのモデルだそうです。あの帽子、皮のジャケット、まさにすらっと背の高い冒険家インディジョーンズでした。
　考古学研究の発掘隊助手でインカ族原住民の娘が神への賛歌を歌う場面に驚きます。物語の中で重要な役ではないのですが、歌声がただ者ではありません。うなり声のような低音からとんでもない高音までとにかく音域が広いのです。調べたら、イマ・スマック(1922年- 2008年)というペルー出身の女性歌手でした。
　物語の展開はゆったりで、次から次へと危険が迫っては切り抜ける冒険活劇ではありませんが、チャールトン・ヘストンとニコール・モーレイ、美男美女の駆け引きもあり楽しめます。

①見どころは3つ。まずこの映画のチャールトン・ヘストンの扮装であるフェドラ帽に皮ジャンパーのいでたちはそのままインディアナ・ジョーンズのそれであり、アドベンチャー映画のヒーローのアイコンになった。同じパラマウント映画製作だからオマージュというよりも、引用としてスピルバーグは採用したのかもしれない。このヘストンの役どころは密かにインカ王国の秘宝を狙う冒険家で、今はペルーの現地ガイドが食い扶持である。そこにライバルとヒロインが現れる。これもインディ・ジョーンズと同じ構造をしている。②この映画でもう一つの見どころは５オクターブ以上の声域を持ち、エキゾチックな美貌のペルー人歌手のイマ・スマックがペルー人の娘役で出演していることだ。イマは劇中で二回歌声を披露するが、これが素晴らしい。なんともエキゾチックな気分にさせてくれる。今まで聞いたことの歌い方と歌声で不思議な感動があった。③3つ目の見どころは、ペルーロケだ。ペルーの都市クスコ、古代遺跡マチュ・ピチュで実際にロケーション撮影を敢行した本作は、CGで合成するのとは全く違う質感を見せてくれる。この映画は当時流行したランナウェイ方式と呼ばれる、現地ロケ、現地スタッフ採用で製作されている。海外旅行者もそう多くない時代、こうした未知の世界を舞台にした映画は、どれほど新鮮で興味深かっただろう。