HK

この手紙を読むときはのHKのレビュー・感想・評価

この手紙を読むときは(1953年製作の映画)
3.3
脚本は自分で書く主義のジャン=ピエール・メルヴィルが、唯一他人の脚本で雇われ監督に徹した作品とか。
そのせいかどうかはわかりませんが、今まで観たメルヴィル作品では一番微妙。
私が観たメルヴィル作品の中では『モラン神父』と並び女性が主人公、それも修道女という点で『モラン神父』と通じるところもあるような。

修道院で修行中の主人公は両親が事故で亡くなったため、まだ若い妹の面倒を見るため実家に戻り文房具店を妹と一緒に継ぐこととなります。
しかし、この美人姉妹に眼を付けた女たらしの整備工のせいで姉妹の運命は・・・
この文房具店で売られている便箋がタイトルの手紙と関係しています。

終盤はもうまさかの展開で、どうも全くもって登場人物たちの言動が不可解。
何を考えているのか釈然としないというか、魔が差すにもほどがあるというか・・・
雰囲気や映像はメルヴィルのテイストを感じるんですけどね。

主人公のジュリエット・グレコはシャンソンの大物歌手らしいです。
妹役のイレーヌ・ガルテルと二人揃ってとても美人。
フィリップ・ルメール演じる元凶のクズ男にいいように利用されるベルボーイの顔に見覚えがあると思ったら、先日観た同じメルヴィルの『賭博師ボブ』の弟分役でしたが、あちらの方が儲け役でしたね。
HK

HK