フクイヒロシ

サン・ドッグス -生きる意味を探して-のフクイヒロシのレビュー・感想・評価

4.0
「主役の若い男性ネッドの純真さが彼に間違った行動に突っ走らせてしまって…」という物語。

ジェニファー・モリソン監督も下のインタビューで、ネッドを「so innocent」と書いています。

Jennifer Morrison Steps Behind The Camera To Make Her Directorial Debut With Netflix's 'Sun Dogs' [Interview]
https://www-slashfilm-com.translate.goog/557388/sun-dogs-jennifer-morrison-interview/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=op,sc


ネッドのキャラ設定のひとつに「知的障害」があることも、映画の中で明言されています。

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障害があるキャラクターにする必要があったのだろうか、とモヤモヤしていまいました。

「純真」と「障害者」を近くに置いて表現することに自覚的であろうとしている昨今において、
この障害のある主人公の純真さが映画の大きなポイントにされていることにとても「お、大丈夫か…」と気掛かりになります。。

とは言え、
「必要がないところで障害のある人物を映画に出しちゃいけないのか」
「いちいち必然が必要なのか」
という命題もあると思います。

海兵隊に入りたいけど入れないという理由づけのためだったのかな〜。
海兵隊の人たちがネッドに親切にする理由の一つなのかな〜(それもどうかと思うよね。。)。

ちょいとモヤモヤ。。


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ジェニファー・モリソン監督
このポイントを除くと、とても面白くて良い映画でした。
ジェニファー・モリソン監督の今後の作品がとても楽しみです。

若者の小さな青春冒険譚でもあり、
大きな社会問題の提起もあるし。

アリソン・ジャネイとエド・オニールの中年カップル像も素敵でしたね。



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「朝、私が目を覚ますといつもママが聞くの
「ここはどこだと思う?」
私は「サンフランシスコ!」
サンフランシスコが世界一素敵な街だと思ってたの。
でも実際毎朝目覚めるとアーカンソーだった。」

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コメディでした。
ツッコミ不在のオフビートなボケの連発。

アメリカの大味コメディだと「どうぞここ笑うとこですよ〜」みたいなシーンが多くなるんだけど、笑う隙もなくサッと別のシーンに言っちゃう。
声出す隙もない。
心の中で笑うだけ。

そういうコメディ。

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メリッサ・ブノワがいい。
ほんとはもっと薄っぺらく信用の置けない役。
でもメリッサブノワがやることでこの映画の芯になってる。