湯っ子

アンダー・ザ・シルバーレイクの湯っ子のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ながーくて、変な夢みたって感じ。

ヒッチコックオマージュが濃いらしいが、「裏窓」も「めまい」もずいぶん昔に観たのでうろ覚え。ラストシーンはまんまだったけど。
私が思ったのは、「インヒアレント・ヴァイス」的な「アイズ・ワイド・シャット」かなぁ。
L.Aの街を謎解きしながら、美女を探して、夢かうつつか、夜をさまよう。
だから、主人公に都合よく暗号が解けたり、お菓子の箱から地図が出てきたりするのもまあそうだよね〜、って思ったし、次々あらわれる美女といい雰囲気になれるけど直前でおあずけくらうのも、自分で手作業(笑)してもイケないのもわかる気がする。実際にヤレる女とのセックスはTシャツ着たままとか、寝るところがないから転がり込んだついでみたいなお粗末さが、しょぼい現実を物語ってる。それと、けっこう暴力的なのも、抑圧された男性性を感じさせる。

私はわりと早い段階で、「これはまともに観る映画じゃないな」と思ってしまったので、主人公と一緒に悪夢に巻き込まれるのを楽しめた。たくさんの思わせぶりなアイテムの意味がわからなくても、というかわからないほうがなんか好きかも。

一番好きなのは、ソングライターのおじいさんが出てくるシーン。監督が同世代だから、ピアノでポロポロ弾いてくれる曲がいちいちツボった。このシーンがおもしろかったから、意味わかんない映画だけど許します。笑
湯っ子

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