jonajona

アンダー・ザ・シルバーレイクのjonajonaのレビュー・感想・評価

4.7
【諦めろ、このっ童貞ストーカー!】
奇妙奇天烈ファンタジー探偵映画。

かなり遅くなったけどレビュー。
ハリウッド。
サブカルオタク青年が、近くに越してきた麗しい女の子といい感じになる。
これは何か始まるぞと思った矢先、彼女は姿を消してしまう。オタク青年は彼女の失踪にはきっとハリウッドの世界の闇が絡んでいると疑いはじめ、独自の捜査を始める…
冒頭の隣の家の全裸の女性を覗き見るシーンなんかは確実に『ロンググッドバイ』だなぁ、と思ってそこでテンション爆上げ。
失踪した女性を探すという下地もそうだと思う。だけどこの映画のかなり奇妙なのは、捜索する主人公のキャラクター。
かれハリウッドに住んでるけど何してる人なのか?分からないし、行動の全てに辻褄よく『陰謀』が隠されてる展開が待ってるのにも釈然としない。
この映画、『LALALAND』が叶わなかった夢を一瞬かいま見る映画だとすれば、これは冒頭10分足らずだけが現実で、そこから1時間強が夢の中というかなりエキセントリックな作りの映画なんだと思う。
彼は色んな人に出会うけど誰とも出会っていない。ただ、その旅は彼にとって必要な心の整理。きらびやかな世界から取り残され続ける自分と世界の乖離についての答えのようなものがラスト付近の展開によく表れていて、とても変な映画なのに不思議と涙を誘われた。
なかなか味わえない感覚でした。
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