茜

風鳴村の茜のレビュー・感想・評価

風鳴村(2016年製作の映画)
3.4
掘り出し物を探すにはもってこいなGEO先行からの一本。
「犬鳴村」に便乗した邦題とジャケ写に「犬鳴村の話題に続け!」という堂々としたキャッチコピー、ここまで来ると清々しい。

原題は「The Windmill Massacre」何かかっこいいね!
オランダ行きの観光バスツアーに集まった人々が次々と殺されていくスラッシャー。
観光客には日本人も居るうえ、ちゃんと日本人が演じているという点はかなり好感度高い。
でもこの人がかなりの不思議キャラで度々笑ってしまったゴメン…演技も泣いてんのか笑ってんのかよく分からんし。

邦題やジャケ写のせいで安っぽいイメージに見られがちだけど、普通にしっかりしたホラーです。
寧ろこの邦題に惹かれて手にした人が「えっ、意外とイケるやん!」って不意打ちを喰らうなら、これはこれで売り方として成功なのかも?
ファンタジー的な側面が強いので、そこにノレないと厳しいかもしれないけど(実際自分もこの点についてはあまりしっくり来なかった)
テンポやグロの出来は良いし、登場人物のキャラもそれぞれ立ってるし、凄く突き抜けてる訳ではないけど楽しくて飽きない。
足首切断、顔面グチャリ、臓物ボトボトなど、キャラ毎にそれぞれ異なるバリエーションのエグい死に様を用意しているのも素晴らしいです。

これどういうオチになるのかな~って私は全然読めなくて、そんな中での顔面フックはなかなかの衝撃だった。惨い。
犯した罪からは逃れられないっていうお話なんだろうけど「これは仕方なくない?」とか「そもそも君は何の罪を背負ってんの?」ってキャラもいるしで説得力は弱い。
でもゴアは優秀だし、オカルトスラッシャーとしても決してつまらなくはないので、グロホラー好きなら一度観てみては?と思う。

マニアックなB級映画をどんどん発掘して世に送り出してくれるGEOさん、これからも支持するぜぇ。
茜