mizuki

そうして私たちはプールに金魚を、のmizukiのレビュー・感想・評価

4.8
平和で退屈な日々に、彩りを!

年頃の人間の脳は柔軟で、つまりは善悪の判断が簡単に揺らぐとも言える。カオスな脳内。
いけないことでも、日々の彩りになるならば全てプラスの刺激となる。
刺激が欲しい脳と、刺激をくれない町、親、友達、恋。
ずっとこのまま狭山から出られないのかなあ。でも、死ぬわけではないことも、おそらくそこそこ幸せになれることもわかっている。でも窮屈で、平和で、退屈で、最低。死んだ町で生きる、ゾンビな私たちがやれることって何?一人になるのも嫌だし、友達以外をちょっとずつ裏切ること?

「ゲーセンって天国じゃない?」
「いや地獄でしょ」
「いや天国!」
「いや地獄!」
「いずれにせよ、死んでんだよ」
どうせ死んでるなら、天国と地獄どっちに行くのが楽しい?ってなって、地獄を選ぶような生き方をする4人が最高。


メロンソーダや金魚など、エモの象徴をちゃっかり壊したり描写しなかったり、「エモい」すら裏切っているところが好き。「エモい」って、自分の心を動かすものに使うんでしょ。自分の心を、だよ。「エモい」かどうかはこっちが決めることでしょ?エモの象徴なんて嫌い。
(でも、エモの象徴を「エモい〜」って言える純粋な人は嫌いじゃない)
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