よふかし

そうして私たちはプールに金魚を、のよふかしのレビュー・感想・評価

3.9
田舎。何も楽しくない、皆で何かしてその場は楽しくても結局何にもならない虚無感。アイドル活動している友達への妬みにも近い悪口。自分たちはここを離れられない、離れた者への嫉妬とも思える感情、そういう感情を向けられたことがあるからゾクッとした。
何者にもなれない、だが普通ではいたくない、何か事件起こしてみたけど何にもならなかった。そう足掻く姿が映し出されていて自分の昔を思い出してしまった。皆でモール?にいるときに将来の自分たちが話しかけてくるシーンはすごく好き。
彼女らの手元にあるものの角度からのカットが多く場面転換が面白い。映画ではあまり見ないMVのような演出も多々。意味のある会話じゃなくぼーっとして自然な時に出る適当なセリフが良い。自分が地元にいた頃のシチュエーションとかなり似てるし中高生の時何してたっけ、と考えると出会い系の男を呼び出す遊びや友達に彼氏ができたらっていう謎の不安とか、何かしてても充実してない、こんな街にいたくないという気持ちの表現が本当にリアルだなと思えた。青春というものに異常な程しがみついてしまっている自分にとっての答えはまだでないが、何もないのが青春、とも言えるのかな。。脚本的にも演出的にもなんども観たくなる映画。
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