とてもよかった。この女友達同士の気持ちのズレとか心に刺さったトゲとか、一緒にぐだぐだいる安心感とか、相手の恋人へのやきもちとか、近すぎる関係が心地よくも鬱陶しい感じの描写が丁寧に描かれている。
詩人を目指すアンと写真家の卵のスーザンの共同生活はある日アンが結婚することで終わる。その後のスーザンの揺れる心が切ないし、また依存的な自分に嫌気がさしてなんとかしようともがき、ふらふらしながら、またもがく。
うまく自分の気持ちを言葉で表現できないスーザンの笑顔は可愛く、庇護を求める子犬のよう。一方アンはしっかりもので道理がわかっていて理性的だが、同じく感情を言葉にすることにもがいている。
女の友情は複雑で、まるで間に性愛があったかのような親密さだが、アン去った後に宿泊させたダンサーの女性から言い寄られると、きっぱりと断っている。そうじゃないからと。
成長物語であり、危なっかしいスーザンの揺れる気持ちに寄り添い、頑張れと応援していた。
『ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト 女性たちと映画をめぐるガイドブック』出版記念上映。
