Hideko

おとなの事情のHidekoのネタバレレビュー・内容・結末

おとなの事情(2016年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

原題: Perfetti sconosciuti
英題: Perfect Strangers

本作を鑑賞して真っ先に頭に浮かんだのが
“white lie”という言葉でした。改めて辞書を引くと、
「悪意[罪]のないうそ, たわいないうそ」
と出てきます。

皆のスマホに届くメッセージやかかってきた電話は勿論全て真実なのですが、そのような事実をそれぞれのパートナーに隠していたということですね。

している本人にとっては些細な浮気や打ち明けなかった理由が不明な秘密など、全く無い方が良いのか、とはたと考えてしまいました。唯一無二の大切なパートナーが、自分の中に燻るストレスや不安、不平不満などの捌け口になってしまわないように、ある程度の秘密の行為は許されるのではないかと。かと言って自分のパートナーに裏切られていたことが分かれば相当なショックを受けたり、別れを考える可能性も低くはないですが。

本作の面白さは、そのような秘密が露呈した後に、許し、許され、認め合うことが出来る人間の度量の広さが、やがて本物の関係性を築くことに繋がる場合も少なからずある、ということではないでしょうか。

“white lie”では済まないような事実が次々と明るみに出て、これは洒落にならないな、と思ったのですがラストでケロッとしている彼らを見ると不思議な感覚に襲われました。イタリア人ならバレた時点で発狂して怒り狂って…というようなステレオタイプに囚われていたのかな、と。こればかりは、イタリア人、いや、それだけでないな、そのような経験を持ち、乗り越えられたカップルに聞いてみないと分からないですね。

先にレビューを書かれている方が、ラストが分からなかった、という意味がわかりました。確かに!子作り新婚カップルは男性の浮気相手の子だけでなく、自分達自身の子どもも授かったのか、バスルームに篭っている短時間の間に悟りを開いたのか…アルバ・ロルヴァケルの化けようが光る演技でした🤔💕
Hideko

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