Ryoma

おとなの恋の測り方のRyomaのレビュー・感想・評価

おとなの恋の測り方(2016年製作の映画)
4.6
クスッと笑える&じーんとくる要素ありの極上のフレンチ🇫🇷ヒューマンラブストーリーだった◎

毎日自分の顔が変わっても愛は貫けるのか…を描いた『ビューティー インサイド』然り、身分や貧富の差の愛を描いた『タイタニック』然り、世間の目や外見、地位よりも、内面の大切さに焦点を当てた作品は多くあり、本作もそういう要素が含まれていた気がする。
本当の意味で、“愛するとは…“いう哲学的な要素や、“恋愛のために他の様々なことを犠牲にできるのか…“の答えを暗示的に気づかせてくれるメッセージも随所に散りばめられていて深く考えさせられた。

強烈に辛辣に観る者に突きつける“愛“のために様々な障壁を超えられるのか。終始問い続けられていた気がした。
相手の内面をみようと思っても、いくら愛があっても、一途に思い続けることは容易じゃないなと感じた。所詮は人間、神様でもない完璧じゃない存在だからこそ、まわりの目や自分の理想とのギャップの大きさに悩み、葛藤する自分にまた落ち込んだり苛々したりしてしまうし、その心のやり場もなく苦悩する。とりわけ恋愛に多くみられるこういった心情や気持ちに共感できることが多すぎて刺さりまくったし苦しいほどだった。

平然を装って前向きに振る舞っているかのようにみえる男性だけれども、実は、心の内には痛切な苦しみも抱えていて…。一方、彼を一途に愛しているかのようにみえる女性にも愛と世間の目の狭間で揺れ動く心情が窺えて、各々の恋愛における苦悩が垣間見れた。

本作では、低身長という性分が特性として取り上げられているけれども、それだけが特別とか特異ではなく、わたしたちだれしも自分に対して持ち合わせている引け目と感じているコンプレックスも一種のそれであり、弱みだと感じることなく、すべてを受け入れた上で個性や長所・美点だと思った。そう思わせてくれる名言の数々が詰まった秀作だった。

相手が引け目と感じていることでもすべてを包み込むように受け入れて肯定する。お互いにそういう存在でいれたらそれこそ一番いい関係性だね😌
Ryoma

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