Neki

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣のNekiのレビュー・感想・評価

-
短いショットを繋げて、バレエやダンスシーンはたっぷり見せて。本当に彼の人生を模しているみたい。ステージに立っている間以外は走馬灯のように、薬の興奮と沈静化を繰り返して過ぎていく。

彼が生まれた国のせいもある。彼が生まれた時代のせいもある。彼が生まれた家庭のせいもあるし、彼が選んだバレエというジャンルのせいでもある。なにより彼があまりにも才能に恵まれてしまったせいでもある。

なにかがいつもずっとおかしい。そういった齟齬は成長につれて彼を傷つけるし、歯車がかみ合っていないのに一瞬も留まることができず、休むこともできず、進み続けるしかなくなったら誰でもそうなる。

彼が最後のダンスにと選んだ曲の内容がそのまんますぎて、切迫したメッセージだった。ほしいのは理解であって追随ではなかっただろうに...世界が彼を受容したように感じられたのならいいけれど。
Neki

Neki