真魚八重子

少女暴行事件 赤い靴の真魚八重子のレビュー・感想・評価

少女暴行事件 赤い靴(1983年製作の映画)
5.0
傑作。未解決の「新宿歌舞伎町ディスコナンパ殺傷事件」を基にした作品。

茨城を舞台にした映画って、侘しさや焦燥感のような情感を駆り立てる良作が多い気がする。冒頭のバイクを飛ばす主観シーンの撮影から素晴らしい。河原で木にもたれての青姦の後ろめたい快楽と、夕暮れの美しさ。
その対比として映し出される東京は、経済も好調で一番輝いていた眩しい時代の都会。最近の歌舞伎町の陰鬱な活力とは違う、人を誘う華やかさがある。
ディスコのブルーのライトに浮かぶ、冷めた表情の少女たちのカットは忘れがたい。
唐突なラストへのなだれ込み方と、時間の経過の表し方、何が起こったかをまず視界にわずかに入れ込むショットのセンスが神がかっている。
真魚八重子

真魚八重子