イチロヲ

少女暴行事件 赤い靴のイチロヲのレビュー・感想・評価

少女暴行事件 赤い靴(1983年製作の映画)
4.0
卒業を間近に控えている不良女子高生(井上麻衣)が、故郷のチンピラ仲間と一緒に放蕩を繰り返しながら、自身の歩むべき道を模索する。通過儀礼としての故郷離れを語っている、日活ロマンポルノ。助演の小泉ゆかは、後に上垣夫人となる。

本作の主人公は、育てられた家庭環境の不運が原因で、不良化している人物。あくまでも個人的な殻を被った状態での不良化のため、他人に喧嘩を売るような暴力的な不良とは異なる。少女時代からの脱却時に生じる、痛々しい青春ドラマが根底。

東京では大人の世界に片足を突っ込みながら自分探しを繰り広げて、故郷茨城では不良仲間との横の繋がりを大事にしながら自分探しを繰り広げる。バブル前夜のネガポジ感覚が見事に切り取られている。

主人公と故郷の友人(小泉ゆか)が東京で遊び呆ける、「最後の打ち上げ花火」が感慨無量。そして、唐突に始まるアメリカン・ニューシネマにビックリさせられる(ラストの展開は歌舞伎町で実際にあった事件がベースらしい)。
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