ときをためる
90歳の建築家と彼の最高のガールフレンドの四季を追う。
劇場を出てしばらく経っても、目頭の熱さが治らなくて困った。
65年前の馴れ初めを昨日のことのように話す姿がとても尊い。
木のカトラリーしか使わず自分達でコツコツという軸からブレない旦那を妻が支えているように見えて実は逆なのかなあと見えるシーンもしばしば。
人間らしい生活って言葉では言えるけど実現は難しい。
楽を良しとせず、自然を尊重する日々という選択肢以外はその土地を買った時にどこかへ置いてきたんだろう。
ふたりならではのスローライフは遠くとも、らしく過ごし、ここぞの時に出せる馬力を蓄えたい。
笑顔を抱え直してシャキッと姿勢を正せる一作。